大穿孔中耳炎

2015.12.02

8才のヨークシャーのおんなのこです。
残念ながら、深刻な慢性中耳炎の患者です。
「大穿孔」と言って、鼓膜のほとんどが失われています。
さらに、数か所穿孔縁が鼓室壁に癒着、肉芽も増生しています。鼓室岬角粘膜は、発赤、腫脹が認められます。
外科的治療をしない場合、中耳炎がさらに悪化したり、また内耳炎に波及しないよう、定期的な鼓室胞の丁寧な洗浄が必要になります。
今回、培養検査により、緑膿菌が検出されました。
おそらく「菌交代症」によるものと思われます。
*「菌交代症」とは、以前病原菌を退治するために使った抗菌薬では目標としていた菌は退治できても、その抗菌薬でも生き残っていた別の菌が新たに感染を起こすようなケースのことを言います。緑膿菌は、「日和見病原菌」と言って、普段から存在するのですが、こうした「菌交代症」で問題となることが多いのです。

ページトップ