トイ・プードルのマロンちゃん オス 11才

2019.05.29

 

Q1.耳科専門クリニックで診察を受ける前は、どのような状況でしたか?

相当以前からカーペットに耳をこすりつける、耳を掻くという行動が続いていました。
耳掃除をすると綿棒にチョコレート色の汚れがべったりとつく状態でした。
ここ1年ぐらいで特にひどくなり、ひっきりなしに耳を掻く、こする、首を振るようになり夜も安眠できない様子でした。近くの動物病院でひんぱんに耳洗いをしていただき、薬も入れていただいたのですが改善しませんでした。
そうこうしているうちに聴力も著しく低下しました。
ただ、耳が臭うことはありませんでした。

Q2. 実際に耳科専門クリニックで治療をお受けになってからはいかがでしたか?

耳の痒みはすぐに治まったようで、耳こすりや首振りは顕著に減少しました。夜も安眠できているようです。聴力はいくらか改善されたようですが、往年のようにはいかないようです。耳道の炎症がひどくて鼓膜も裂けていましたので、止むを得ないかなと思っています。思い切って当院を受診させてよかったと思っています。
当初、1日3回の洗耳薬注入は飼い主、犬双方になかなかの負担でしたが、1ヶ月で日常化しました。療法食も慣れるまでたいへんでしたがまずまず順調に推移しています。双方がこれからもがんばることが必要と思っています。

Dr.からのコメント

奈良からお連れいただいた、トイ・プードルのマロンちゃん。
お聞きすると、3年も前から耳を患っていたそうです。
しかも、以前のように音に反応しなくなったとのことでした。

ご予約いただいた飼い主さんがクリニックにお越しになると、幼少期からの飼い方、食事内容などを時間をかけて詳しく確認させていただきます。
そして、麻酔のための健康診断(血液検査、心電図、胸部レントゲン、できれば尿検査)。
そのあと、点滴、「酸素化」といって血液中の酸素濃度を上げておきます。
ですから、実際麻酔してオトスコープで処置を始めるのは、お連れになってから結構時間が経っています。

こうして、ようやくいろいろな問題点がわかってきます。

マロンちゃんの問題の1つは、食事。
次に、鼓膜の裂傷。
さらに耳道の極端な狭小化(とても細くなっていました)や耳道の汚れの原因。

もし、こうした時間をかけた過程の何か1つでも省いてしまうと、マロンちゃんの耳は本当に良くはならないでしょう。
朝お連れいただいて、耳の処置が終わるのは大抵昼過ぎ。
それでも、まだ飼い主さんが淡路島の観光やお食事、(飼い主さんによっては)温泉での入浴・・・などからクリニックへ戻られる直前まで点滴をしていることがほとんどです。

几帳面にお家での耳のケアをしてくださっている飼い主さん。
次回、マロンちゃんを拝見するのが楽しみです。

ページトップ