ヨークシャーテリアの楓ちゃん メス 5才

2021.03.26

Q1.耳科専門クリニックで診察を受ける前は、どのような状況でしたか?

半年以上前から耳を痒がることがあり、お世話になっている動物病院でも診察して頂きましたが、あまり改善しませんでした。臭いは特になかったこともあり、様子をみていましたが、こちらで受診する半月ほど前から両耳ともに閉塞してしまいました。その頃は、昼夜問わず痒みがあるようで、鳴きながら耳を掻き、掻き傷もでき始めました。イライラするのか、ドーム型ベッドの中でガリガリと壁を掻くこともしばしばありました。人が耳を触ると怒ることはないですが、少しビクッとするので、こちらもあまり掻かないように、お腹をなでる等で、気を紛らわせることくらいしかできませんでした。

Q2. 実際に耳科専門クリニックで治療をお受けになってからはいかがでしたか?

初診時に、思った以上に状態が悪いという事で、耳洗浄をご提案して頂きました。とても嫌がるとお聞きしましたが、今の状態が続くよりはと思いお願いしたところ、楓は鳴くこともなく、無事終了しました。耳の大きさから考えると、驚く程大量の耳垢が出たのが印象的です。翌朝は、いつもよりスッキリとしたのか楽しそうにしており、よく眠れたのだと思います。特に毎回洗浄後1~2日経過すると活動量がぐんと上がります。
今では夜中に鳴きながら耳を掻くこともなく、ベッドの壁を掻くこともなく、よく走るようになり、夜中の一人遊びも復活しました。毎日の点耳薬は、準備していると隠れていますが、頑張ってくれています。治療後の劇的な改善は今も驚いており、受診して本当に良かったです。ありがとうございます。

Dr.からのコメント

とても可愛い、ヨークシャーテリアの楓(かえで)ちゃん。

診察室で拝見すると、考えていた以上に耳の状態は深刻でした。
外耳は全体に腫れ、耳道は全く塞がり見えないほどでした。
できれば、全身麻酔をかけてあげて、丁寧に硬性鏡で診てあげたいところですが、このところ全身麻酔による治療の予約がかなり混んでいて、すぐにそうした治療ができない状況でした。

耳科専門クリニックでは、年齢や体調面で全身麻酔をかけにくいわんちゃんでも、麻酔なしで治療することはよくあります。
でも麻酔をしないわけですから、嫌がる子はかなり嫌がります。
ところが、この楓ちゃん。
驚くほどおとなしく、嫌がらずに鼓膜周辺までしっかりと治療することができたのです。
この小さな身体のどこにそんな忍耐力があるのでしょうか?
こうして十分な治療が出来ましたから、おそらく次回がお連れいただく最後になりそうです。
我慢強い楓ちゃんに拍手!

いつも繰り返しお伝えしていることですが、このように耳の治療がきちんとできますと、患者であるわんちゃん、ねこちゃんたちは、見違えるほど表情が良くなり、快活な動きを見せてくれます。
楓ちゃんも、飼い主さんのご感想のように、そのことを率直に気付かせてくれています。
つまりは、以前はそれだけ辛い状態だったということ。
耳科専門でとことん耳科疾患の治療に工夫しているのは、そうした日々の患者たちとの出会いが励みになるからなんですね。

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