猫ちゃん中耳炎(クロ助ちゃん)

2022.02.21

Q1.耳科専門クリニックで診察を受ける前は、どのような状況でしたか?

ペットショップでクロ助(猫)に触れた時から既に耳から黒い物が流れていて 初めて猫を飼う事もあり、これは子猫におこる普通の症状とばかり思っていました。 (人間でい言うなれば、普通の風邪程度に考えていました) 2~3週間しても症状は治まらず、近くの動物病院に見てもらいました。 耳のかなりの奥までただれており、CTやMRIの診察を勧められた時は かなり絶望的でただただ不安で一杯でした。

 

Q2. 実際に耳科専門クリニックで治療をお受けになってからはいかがでしたか?

先生、スタッフの方々のおかげで無事に手術が成功し、 術後の様態も凄くよくクロ助は元気で育っています。 音もしっかり聞こえているようです。 正直ダメかと思っていましたが、2月16日で満3歳になります。 先生とスタッフの方々に感謝で一杯です。ありがとうございます。

 

Dr.からのコメント

大阪府からお連れいただいたクロ助ちゃん。 今のリラックスした愛嬌たっぷりの表情からは、想像も出来ない深刻な中耳炎を患っていました。 猫ちゃんの中耳には、写真(Pathologic Basis of Veterinary Disease fifth Editionより引用)のように、中隔があって上下の2層構造になっています。

そのため、特に下層に粘稠な膿が貯まると、洗浄による清浄化が難しいという構造的問題があります。 クリニックで実施している治療法は、次のように2つあります。
一つは、中隔に穴を開けて、下層を洗浄する。
もう一つは、中耳の鼓室胞と呼ばれる骨を切開し、直接中耳の内部をきれいにする方法です。

クロ助ちゃんの場合、中耳炎の中でも重度でしたから、後者の方法を実施しました。 猫ちゃんの中耳には、複雑に神経が走行しています。 ですから、熟練を要した繊細な手術が求められるのです。 こうして、元気になっているクロ助ちゃんを拝見すると、耳科専門医冥利につきますね。 ただし、ここまでしなくても済むように、なるべく早い段階で治してあげたいですね。

猫ちゃんの中耳炎は、時に手術が必要なほど治りにくいことを、ぜひ覚えておいて下さい。

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