わんちゃんの耳垢
2015.04.10
わんちゃんたちの耳の中は、私たち人間よりももっとシットリしているようです。そのシットリしているのがわんちゃんたちの耳垢そのもので、耳道を保護したり、防水したり、潤滑作用をもたらしているのです。またそれだけではなく、リゾチームやラクトフェリン、免疫グロブリンといった抗菌物質も含んでいて、耳垢は本来外耳炎になりにくいように働いている大切な存在なのです。
ところで、私たちの肌もわんちゃんたちの肌も健康であればカサカサしていませんね。それは皮膚にある皮脂腺やアポクリン腺からの分泌物のおかげです。そうした分泌腺は耳道にも数多くあります。しかしながらわんちゃんによってはこの分泌腺、なかでもアポクリン腺が発達しすぎていることがあります。そうなると耳垢がより水分を持ったものとなったり、耳垢に含まれる抗菌物質が少なかったり、バイ菌への有力な防御作用となる酸性による殺菌作用が弱まってしまいます。おまけに水分を持ちすぎた耳垢は耳道を高湿度環境にしてしまいます。 こうして真菌(カビ)まで増えやすくなります。実はこの真菌こそ、わんちゃんの外耳炎で最もみられやすい「マラセチア」という酵母菌なのです。
「マラセチア」については、お伝えしたいことがたくさんあります。このブログを通してお話しできる機会もあるでしょう。
次回は「耳垢」と関連して、よく質問をお受けする「耳のケア」についてお話ししましょう。