わんちゃんの耳のケア(基本その2)
2015.04.21
今回は前回に引き続いて、わんちゃんの耳のケア、それもメンタルに配慮した方法をお話しましょう。
まず、いきなり耳のケアをやってみようとしないことです。わんちゃんにとって、たった1回でもつらい思いをさせてしまっては、耳のケアを習慣として続けていくことが難しくなるかもしれません。
まず、主治医の先生に「鼓膜」と「外耳道」の状態について尋ねて下さい。鼓膜にもし損傷があると、耳の洗浄液が鼓膜の奥(中耳といいます)に入り、耳の機能に影響を及ぼすかもしれないからです。また、外耳道がただれていたり、赤く腫れていたら、洗浄液は刺激になって、わんちゃんはとてもつらいでしょう。主治医の先生は大抵、ステロイド入りの点耳薬を処方してくれますから、ただれや赤みがマシになってから洗浄液を使いましょう。
洗浄液は、あらかじめ人肌程度に温めておき、またそれを飼主さんの手の平で温度をチェックしておきます。冷たいのが入ると、ビックリしてしまいますし、熱いのが入ったら大変危険です。わんちゃんを保定する人、そして洗浄する人の役割分担を決めておいて下さい。その際、力のある人が、力をこめて保定しようとしてはいけません。実は、なるべく力を指先まで抜いて、「包み込む」ように保定してあげることが大切なんです。決して「しっかり」おさえてはいけません。なぜなら、わんちゃんは「あっ、無理やりいやなことされる!」とネガティブなスイッチが入ってしまうからです。
前もって、数日はオヤツをわざと与えないようにしましょう。そして大好物のオヤツをほんの少し与えてからスタートしたいのです。処置が終わったら、もう少し多くオヤツを与えます。散歩が大好きなわんちゃんなら、散歩に行く前に耳のケアをしてあげるのは、グッドタイミングです。オヤツにあまり興味のないわんちゃんなら、耳のケアのあと、メチャクチャほめてあげましょう。とにかく、「いやな時間だった」というよりは、「楽しい時間だった」という印象を与えられるよう、心がけましょう。具体的なテクニックよりもいつも「メンタル」を優先してあげて下さいね。